虹の都へ
「えっと、あなたは?」

瀬名さんがあたしの顔を見ると、そう聞いてきた。

「高橋瑞希です、虹のルームメイトです」

「ああ、あなたが?」

瀬名さんは納得したような顔であたしを見つめた。

「虹から聞いたわ、あなたのこと。

男の子みたいな名前の女の子と同居してるって」

「…そうですか」

瀬名さんも、虹のことを呼び捨てで呼んでるんだ。

そりゃ、そうよね。

大学の時の後輩なんだもん。

そのうえ、仲がよかったら呼び捨てできるんだろう。

「瀬名さんは虹の大学の時の先輩なんですよね?

虹から、話は聞きました」
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