虹の都へ
あたしって、おしゃべりだったっけ?

サラサラと音が出るかと思うくらい、フツーにしゃべってたよね?

「虹が…」

瀬名さんは呟くと、ソファーで眠っている虹に視線を向けた。

「変わってないわね」

瀬名さんが言った。

「…えっ?」

変わってない…?

「ずーっと、あのままなのね」

あのまま…?

それは、顔が変わってないと言う意味なのだろうか?

「ああ、寝顔のことね」

あたしの心を読んだんだろうか?

笑いながら瀬名さんが言った。
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