【中編】まさかの恋



ってあたしの強がりはここまで。




そう言い残して去って行こうとする旭の袖を慌てて掴んでそれを阻止した。




「ちょっと待って!一緒に帰ります!」




そう言って涙目になりながら旭を見上げると、はぁ……っと溜め息をついた。
そして冷たい目で。




「早くしろ」




普段ならカチンとくるその言葉に。
あたしは慌てて。




「はいぃ!」




自分の机に駆け足で戻って自分の荷物を取って、また旭の方に駆け寄った。
その時間はわずか5秒。
トロイあたしでもこんなに早く行動ができるなんて、自分でも驚き。
……ま。今はそんな考えてる余裕はないんだけど。




あたしは早足の旭にチョコチョコと一生懸命ついていく。




「ちょっと……旭。早いぃ!」




そう息切れしながら言うと、旭はいきなり立ち止まる。
そのせいであたしは旭の背中に激突。




「いったぁ……」




鼻を思い切りぶつけたあたしは、涙目になりながら旭を見上げた。




「いきなり止まんないでよ」



旭を睨みながら言うと、旭は溜め息をつきながら振り返ると、あたしの身長に合わせて旭はしゃがみ込んだ。




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