【中編】まさかの恋
素直になれない-Asahi
授業を終えて放課後。
俺は練習着に着替えて、湯田先輩と一緒にグランドに向かっていた。
グランドに着くと、マネージャーが俺達を見る。
そしてボールを持って駆け寄ってきた。
「ボールどうぞ」
そう言われて差し出されたボールを湯田先輩はニコッと微笑んで受け取る。
「ありがとう」
俺はそんな湯田先輩を横目に無表情でマネージャーからボールを受け取った。
「……どうも」
はっきり言って。
俺は人見知りだ。
特に女は苦手。
それはマネージャーも例外じゃない。
マネージャーに無愛想な俺に、湯田先輩は笑いながら言った。
「旭……相変わらずだな。逆にそういうクールなとこ、尊敬しちゃうな」
そう言って湯田先輩は俺に向かってボールを蹴ってきた。
それを受け取った俺は湯田先輩に口を開く。
「俺も先輩のそういう誰にでも平等なとこも尊敬しますよ」
誰にでも優しいとか。
常に笑顔で相手を不快にさせないとことか。