【中編】まさかの恋
って……。
俺は何考えてんだ。
さっきから……。
俺は静かに首を振って我に返った。
でも……。
ホントに俺は最近おかしい。
昨日なんて、真姫に一緒に帰る約束しちゃったし。
ってか。
真姫も真姫だよ。
何であいつ……普通に俺の誘いにOKしちまうんだよ。
たくっ……。
調子狂うじゃねぇか。
そう思いながら俺はチラッと真姫を見た。
目は合ってない。つまり俺を見ていない。
その事になんとなくホッとしてしまう。
見られてたら部活に集中できない……と思うから。
でもあそこにいるってだけで、変に意識してしまう。
「ホント……俺どうしたんだよ」
あいつは幼馴染だぞ?
風呂とか一緒に寝たりとか。
そんなまったく意識もしない相手だぞ?
何で……。
ボソッと呟いて、俺は溜め息をついた。
部活を終えて、俺はまた教室へと向かった。
扉を開くと、やっぱりそこには昨日と同じ真姫がいた。
でも……今日は胡桃がいない。
それを俺は平気なフリして自分の席に荷物を置く。
沈黙が重くて息がつまりそうだ。
着替えている俺を見ないように俯いている真姫も黙ったまま。
くそ。
何で俺はこんなに緊張してんだよ。