【中編】まさかの恋
「知らないと思ったぁ?あたしは全部知ってるんだからぁ。一緒に帰ってるんでしょ?旭君と」
「なっ」
何で知ってんの?
言ってなかったのにぃ。
オドオドしていると、胡桃はニヤッと笑った。
「それから2人が最近ぎこちないって事もね♪」
「う……」
恥ずかし過ぎてあたしは顔を赤くして俯いた。
するとそんなあたしの顔を覗き込みながら胡桃はフッと笑った。
「どうなの?真姫は、旭君の事好きなの?」
「え?」
好き!?
「そそそそ、そんな訳っ」
ないよー。
って言いたかったけど、あたしの声はどんどん小さくなって最後まで言えなかった。
だって正直、今あたしは旭をどう思ってるのか分からなかったから。
幼馴染だもん。
好きしなったらきっと旭だって迷惑。
それにもしかしたらこの関係が壊れてしまうって事さってあり得るんだ。
怖くて無理。