【中編】まさかの恋



「真姫は旭君と何にもないのー?」




そう聞いてくる胡桃。




だーかーらー!
また言うけど!!




「何もないよ。あっても困る」




じゃなきゃ、幼馴染なんてやってらんない。
異性の幼馴染なんてそんなもんでしょ?
だって……お互いなんか前とは違うもん。




前は一緒に帰ったり。
遊んだり。
一緒にお風呂入ったり。
一緒に寝たり。
後の2つは恥ずかしくて思い出したくないけどさ。
そんな事もうしないでしょ?




すると胡桃は苦笑いした。




「もう……ちょっとは意識したりしないんかなぁ」




しないしない。
もし間違いがあっても、旭はあたしの事なんて眼中にないよ。




だってあたし……。
可愛いママと格好いいパパの子供だけど。
全然可愛くないし。
ノロマで全然駄目。
最悪のかたまりのあたしを相手にする訳がない。




なんて考えてると、胡桃はまた外を見つめた。





< 5 / 87 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop