【中編】まさかの恋
「あぁ!サッカー部終わっちゃったぁ」
そう叫ぶ胡桃。
その声にあたしもグランドを見ると。
……ホントだ。
グランドには部室に戻る選手と、その後ろを歩くマネージャー。
マネージャーを見つめながら胡桃は一言。
「あーぁ。あたしもマネージャーやればよかったなぁ」
これ。最近の胡桃の口癖。
「そうすれば湯田先輩と話せるのに」
頬杖をついて胡桃は溜め息をつく。
胡桃は一応、マネージャーはやろうとしてた。
あたしにも、“一緒にやろう!”ってしつこいくらい誘ってきてたし。
でも、あたしは旭がいるから断ったの。
だって可愛くない幼馴染が同じ部活にいるなんて。
旭……やりずらそうだし。
しかも旭に。
『ノロマのお前ができる訳ねぇだろ。邪魔になるだけだし』
そう一応旭に相談したら言われちゃったんだ。
しかも嫌~そうな顔で。
そこまで言わなくていいじゃん。ね?
もうちょっと優しく言えないのかなぁ。