【中編】まさかの恋



するとメグはオレの腕を掴んでいる手を放して顔を上げた。
そして顔を近づけてオレの頬に軽くキスすると、フッと笑った。




「しつこく告白して……しつこかったよね。ごめんね。自分の事しか考えてなくて。でももうしないから。ありがと、好き……だったよ」




そう言ってメグは立ち上がると、何も買わずにコンビニを出て行った。
オレは呆然としてその場にしゃがみ込んだまま動けなかった。




ごめんね?
……オレ謝られる事してないよ?




ありがとう?
……何が?
オレお礼言われる事してないよ?




何が……。
ごめんねなの?
何が……。
ありがとうなの?




オレはそっとメグの唇が触れた頬に触れた。
一瞬だけだったけど。
感触が残ってる。
温もりが残ってる。




胸がチクッとした。




好きだったよって震えた肩が。
好きだったよって掠れた声が。
好きだったよって溢れた涙が。
好きだったよって過去形の言葉が。




オレの胸をチクチク刺した。




こんな恋をまともに知らないオレと付き合ったって傷つくだけ。
すぐに別れて傷つくかもしれない。










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