Girls Kiss・『バレンタインのキス』
「いやー、まいったねぇ。こんなに貰っちゃった♪」

…コイツは本当にモテる。

だからバレンタインも、たくさんチョコを貰うんだ、毎年。

せっかくわたしの部屋に呼び出したのに、彼女の持ってきた荷物は他の人から貰ったチョコがたくさん。

「あっ相変わらずスゴイな。食べ過ぎるなよ?」

「分かってるって。でも呼び出されて貰うのはめんどくさいけどさ、送りつけてくるってのも厄介だよねぇ。荷物受け取るのに、家にいなきゃなんないしさ」

「…あっ、そ。じゃ、もう帰ったら?」

「わあっ! ウソウソ! 家には家族がいるから、大丈夫! ねっ、それよりさ」

スススッとわたしにすり寄って来る。

「アンタからのチョコは?」

「コレだけあるんだから、いらないんじゃないか?」

「わぁん! イジワル言わないでよぉ。今日、アンタのチョコを1番最初に食べようと思って、何にも食べてないんだから」

「…それって朝食抜いてきたってことか?」

「うん、そう」

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