Girls Kiss・『バレンタインのキス』
バラの花を模したチョコは、真っ白から黒いチョコが色を変えて並んでいる。

「コレ、味によって色が変わってるんだ。白いのがホワイトチョコ、黒いのがビターチョコ」

「じゃあ真ん中がミルクかな?」

茶色のバラを掴んで食べてみると、甘くも舌触りの良いチョコが溶けた。

カカオの良い匂いが、口の中いっぱいに広がる。

「うん、美味しい! ありがとな」

笑顔で言うと、彼女は照れた笑みを浮かべた。

「えへへ。アタシはアンタと違って、手先器用じゃないからさ。美味しい店探すの、苦労したよ」

「こっちだって作るの苦労したさ。和の洋菓子なんて、はじめて作ったし」

「でもスッゴイ美味しかった。やっぱり愛情がたっぷりだからかな?」

「なっ! …しっ知るか! そんなの」

そっぽを向くけど、顔が赤くなるのは隠せない。

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