てがみ
予想通りの反応だ。


とはいえ、思ったより驚いたみたいで。
そわそわしたような表情で、一度立ち上がったのに恐る恐るまた椅子に腰掛けて、非難がましい目をこちらに向けた。


「てっ、手紙に、書いたのに…触れないでって」


「ははっ、おもしれー反応」


「柏葉くんって結構意地悪なんだね」


「いや、でも手紙は本当、俺、めっちゃ久しぶりに貰ったから嬉しかったぜ」


行動がおかしくて、笑いながら言うとぷいっと顔を背けられた。
それがまた、なんだかおかしくて。


「今度、俺も書くよ、手紙」


ふざけて言ったつもりだったのに。
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