てがみ
「ケーキ、どっか行きたい店ある?」


腕に自分の腕を絡ませてくる彼女に声をかけながら、歩き出す。


「ここの4階にあるカフェのー」


やっぱり目当ての店があったか…
予想はしてたけど。


「先輩…お願いがあるんですけどー」


エスカレーターで上の階に向かっている途中で、瑠衣が口を開いた。


「んー?」


「先輩の事、名前で呼んでもいいですか?」


あー、まぁ確かに先輩ってのは他人行儀だもんなぁ…


「別にいいよ、好きに呼んで」


ぱぁっと顔に、花が咲いたような笑顔をうかべ、


「ホントですかぁ?!」


嬉しそうだな…


「うん、まぁバイト先では上下関係うるさい人もいるからアレだけど…2人の時は好きに呼べよ」


「やったぁ、じゃぁー」
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