てがみ
「リョー、って呼んでもいいですか?」


「うん」


学校じゃ友達にいつもそう呼ばれてるし、違和感もない。


目当てのカフェに入ると、テラス席に案内された。
眺めが良くて、カップル客が多い。


「あたし、ショコラクリームのタルトと木苺のチョコレートムース、あとアップルティー」


瑠衣は席に着くなり、メニューも見ずにすらすらと注文を告げた。
食べるものまで決めてたのか…


「リョーはぁ?」


俺も慌ててメニューに目を通し、コーヒーとチーズタルトを頼んだ。


「ここのチーズタルト、美味しいんだよぉ、一口ちょうだいね」


「…ああ」


気のせいだろうか?
呼び方が変わった途端、心なしかタメ口になってるような…


ま、別にいいけど。
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