てがみ
「そろそろ帰ろうか」


伝票を取って立ち上がるが、瑠衣は立ち上がろうとしない。


「瑠衣?」


「もう帰るの?」


少し膨れたような表情で、まだまだ遊び足りないといった雰囲気。


「けどもう5時になるぜ?」


店に入ったのが午後2時くらいだったから、3時間もここに居た事になる。
長居の客は店側も迷惑だろう…


「えー、でもぉ、ママに夜は食べてくるって言っちゃったし」
「は?」


あれ?
ケーキ食べさせる約束しかしてないよな、俺…


「リョーとご飯、食べたかったんだもん…」


膨れてた表情が、しょぼんと落ち込んだものに変わる。
そんな事言われちゃ、無碍にもできないだろう…
仕方ない、夜まで付き合うか。
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