てがみ
慌てて脱いだチュニックを渡そうとするが、振り払われた。


「や」


や、って言われても…こっちは目のやり場に困るんだけど。


「瑠衣、ほら、クーラー入れたらそれじゃ肌寒いだろ?」


な?と促すが、首を横に振っていやいやするばっかり。
ここはちょっと強引に、と思い、テーブルの上に置いてあったクーラーのリモコンを取って【強】に。


ブォー…と静かな音ともに冷気が部屋の中に広がる。
アルコールで火照った顔に涼しくて俺は気持ちがいい。


「やー、さむーい」


がばっと、瑠衣は俺に抱きついてきた。
そして上目遣いに俺を見つめて、一言。


「リョーがあっためて★」


甘い囁きは小悪魔の囁き。
何とか理性で押しとどまっていたが、シチュエーションが思春期真っ盛りの高校生男子にはさすがにちょっと…


で、押し倒した。
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