てがみ
「だめだ、引き下がらん…」


ポソッと呟くと、敏がしたように篠原が俺のケータイを覗き込んできた。


「可愛いじゃない、彼氏の学校が見たいなんて」


いつもの、そっけない態度とは違う、少しからかうような表情を浮かべて。


「とは言え、どうすっかなぁ…」


「私、連れてきてあげよっか?」


篠原の一言。
俺と敏が、思わず顔を見合わせた。


「え…どうやって?」


「ここで待ってて」
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