てがみ
けらけら笑い合っていると、敏が斜め後ろから俺の肘を小突いた。
あ、忘れてた。


「あと瑠衣、こっちが友達の、敏」


「安川、敏。よろしくね、瑠衣ちゃん」


「うん、ユキさんに、安川、さん?よろしくー」


敏が苗字でさん付けされてるのとか、違和感あっておもしろいな…
と、今度は瑠衣が俺のシャツの袖を軽く引っ張ってきた。


「ん?」


「リョーって、美術部なの?」


「いや、違うけど」


あ、そっか…


「敏が美術部なんだよ、学校終わってからバイトの遅番まで時間あるし、ここで暇潰してるんだ」


「へぇ…」
< 90 / 126 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop