幼なじみは狼くん?
拓哉の正体
4組に入ると、自分の席を見つけ、座って美咲と話をしたりした。

出席番号が近いため、弁当とかも、机を合わせて食べていた。
「今日は、大変だったね。」

美咲が苦笑いをしながら私に言ってきた。

「全くだよ。いきなり泣かれるし…」

「でも理奈も拓哉と離れて寂しいんじゃないの?」

「そりゃあ、ずっと同じクラスだったから少しは寂しいけど…」

美咲は、ニヤニヤしながら私の話を聞いていた。

「理奈!」

いきなり廊下から、私を呼ぶ声がして、急いで廊下を見た。

そこには、拓哉がいた。

(噂をすればと言うか、なんと言うか。)

私は、イスから立って、拓哉の所に行った。

「何?拓哉。あんたのせいで周りに見られてるんだけど。」

「お腹空いた~。今日弁当持ってくるの忘れたし。理奈わけて。」

「竜にわけてもらったら良いでしょ!!」

「だってさ。竜は、俺の弁当喰うなら金取るって言うからさ~。お願いだから分けて。」

目をウルウルしてこっちを見てくる拓哉に、私はため息をついて弁当を分けてあげることにした。

「たくも~。ちゃんとしてよね!拓哉がずっとこれだったら、勘違いされてずっと彼氏できないよ!」

「だったら俺が彼氏になってあげる。」
< 10 / 96 >

この作品をシェア

pagetop