幼なじみは狼くん?

拓哉side

(弟…か。)

理奈のいる教室を出てから自分の教室に着くまで、さっきの事をずっと考えていた。

(俺。男として見られてないんだな…。友達としてでも良い。ずっと理奈のそばにいられるなら…)

そうこう考えているうちに、自分のクラスの1組に着いた。

「おっ!拓哉お帰り♪」

「ああ。ただいま。」

俺の態度をみて驚いたように、竜は俺を見てきた。

「大丈夫かよ?裏の性格が出てるよ。少し落ち着け。」

竜になだめられ、俺は理奈のクラスであったことを話した。

「弟ね~。拓哉もうそろそろ本性理奈に見せても良いんじゃないか?」

「本性な~」

(俺は、怖いんだ。本当の自分を見せたとき理奈に嫌われるのではないかと…)
< 12 / 96 >

この作品をシェア

pagetop