幼なじみは狼くん?
「理奈は鈍感すぎるんだよ。9年間同じクラスで全然気づかねえから。」

口の端だけ上げこっちを見てくる拓哉はいつもの拓哉と違すぎて、なんと言えば良いかわからなかった。


「俺は、理奈が好きだ。友達としても1人の女としても。理奈は?」

「わからない…」

「だろうな。お前は俺の事、ずっと友達としてしか見てなかったもんな。」

少し悲しい顔をして笑った拓哉を見て、罪悪感がわいた。

(こんなにも想ってくれたのに、私は全然気づかなくて…)


「だけど見てろよ理奈。絶対に俺を男として好きにしてやる。」

そう言うと、拓哉は廊下の方に向かった。


「あっ。そうだ。」

そう言うと、教室を出る少し前で立ち止まった。
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