幼なじみは狼くん?
保健室に着くと、ベットに私を座らせ、ひざまずく形で私の靴を脱がした。

「イタッ!」

私の足は、腫れていて痛々しくなっていた。


「腫れてるな…。ちょっと待ってろ。」


そう言うと拓哉は、素早く私の足に包帯を巻いてくれた。


「……ありがとう。」


―グイッ


私がお礼をすると拓哉に急に腕を引っ張られた。

気づくと私は拓哉に抱きしめられていた。


「頼むから怪我には気をつけてくれ。お前が転んだとき心臓が止まりそうになった。」


震えている手に力が入りさっきより強く私を抱きしめていた。

「そんな大袈裟な。ただ足を捻っただけでしょ?」


「それだけでも嫌なんだ。俺は理奈が好きだから…理奈返事ちょうだい。」

キスされた日より前の拓哉に戻ったような言葉使いに私は戸惑った。


「ねえ。拓哉1つ教えて。本当の拓哉は、優しい拓哉?それとも強引な拓哉?」
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