幼なじみは狼くん?
「拓哉!」

(えっ?拓哉?)

俺が驚いて目を開いていると理奈が慌てて説明してきた。

「たっくんて呼んでると勘違いされると思うし、拓哉も私となんかじゃ嫌だと思うから…」

切なげ俯いて言う理奈を見て胸が苦しくなった。

(嫌なわけないじゃねえか!俺はずっと理奈のことが好きなのに。)

「それに…昨日みたいなのは怖いから…」

いつも強気な理奈の言った言葉。

(やっぱり、怖かったんだな…)

「わかった。」


俺はこう言うしかなかった。

「俺らずっと友達だもんな。」
俺の言葉を聞いて俯いていた顔を上げた。
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