幼なじみは狼くん?
「う゛ぉ~!」

「ヴァ~」


「キャ~!」


歩いていくたびにお化けが私に襲ってきた。


(こうなるんだったら、拓哉をおいて来なければ良かった)


「う~。拓哉~。ふぇ、どこ~?」


―――ギュッ


後ろから誰かが抱きしめてきた。


「どっちがバカだよ。バカ理奈。」


拓哉は息が上がって、かすれた声だった。


「拓哉~。」

私は拓也の腕を抱きしめた。

「もう俺のそばから離れるなよ?」

拓哉はそう言うと、私の頭を撫でてくれた。

(拓哉に頭撫でられると安心するな~。)

「理奈。何にやけてるんだよ?」

「何でもないっ!」


「ならお化け屋敷ちゃっちゃと出るぞ!」

拓哉に腕を引かれ私たちは出口を探した。
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