幼なじみは狼くん?
男子と女子は練習メニューが違うため、体育館に着くと拓哉と別れた。

「理奈~!今日から本格的に部活始まるね~。バド楽しみだなぁ~。」

美咲が私にいきなり抱きついてきた。

「あの~」

女の子が1人話しかけてきた。
「何ですか?」

「私、五十嵐 桜と言います。山本君とは、どんな関係なんですか?」

「拓哉とは幼なじみだけど、もしかして!」

そう言うと、桜は顔を赤らめた。

「私も気になる~」


「私も~!」


他の女の子達も私に聞いてきた。

拓哉とはお試し期間のため、付き合っていることは、秘密にしていた。

「さっきも言ったけど拓哉とはただの幼なじみだよ。」


「な~んだ。なら私アタックしようかな~。最初は、顔は格好いいけど子犬みたいに可愛いて思ってだけど、頭も良いみたいだし~!」


―――チクッ

女子の誰かが言った言葉が胸に刺さった。

(この痛みって何なんだろう)

私は、拓哉の方を見た。
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