幼なじみは狼くん?
頭の上から聞こえる竜の声に私は戸惑った。


「えっ?」



「俺。理奈の事が好きだ。小学生の時からずっと理奈を見てきた。拓哉の事も…拓哉がずっと理奈を好きだということも…」

竜の声は震えていて力が無かった。


「俺。拓哉には適わないと思って理奈の事諦めてたんだ。バドでも頭でも勝てない。理奈への思いも…でも!もし拓哉が理奈を泣かせたなら、俺は拓哉を許さない。俺は理奈を泣かせる事は、絶対にしない!」


竜の腕の力が強くなり私は竜の想いが痛いほどわかった。


「ごめん」

そう言うと、竜は私の顎を掴み顔を上げさせた。


「ヤッパリ理奈は、拓哉の事が好きなんだな…。」


竜は顔を歪ませていた。


そして私の唇に自分の唇を重ねてきた。
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