男子校は危機百発ッ!☆→イケメン男子と恋しよう←☆
「どうしたの、こんな時間に出歩いて」
淨弥君はそう言って、自分の隣をぽんぽんと軽く叩く。
隣に座ってもいい、っていうことだよね。
「うん、なんだか眠れなくて」
あたしはそう言いながら淨弥君の隣に腰かける。
「淨弥君は?どうしてここに居るの?」
そう問いかけると、淨弥君はこちらに振り向き、あたしの目をじっと見つめてきた。
ビー玉みたくキラキラと輝くその瞳は、乙女の心臓にはとても悪い。
「あれを、見に」
淨弥君はそう言って、夜空を指さす。
淨弥君の指先を辿って、空を見上げる。
「……月?」
「うん。……綺麗だよな」
そう言って、月を見て微笑む淨弥君は、
とても綺麗だった。
「……うん」
淨弥君は、月が好きなのだろうか。
確かに、キラキラと、神秘的な光りを放っている淨弥君は、月ととてもよく似ていた。
「……手を伸ばせば、届きそうなのに」
そう言ってる淨弥君の横顔は、どこか悲しげで、なぜかあたしの心臓が反応して、ズキリと痛む。