男子校は危機百発ッ!☆→イケメン男子と恋しよう←☆
目をギュッと強く瞑る。
「何してんの」
………え…?
聞き覚えのあるその声に、心臓がドキッとした。
目を開けてみると、男の背後に、淨弥君の姿が見えた。
「なっ、なんだよ?!」
男はあたしの手首を掴んだまま、後ろを振り向く。
手首がじんじんとする。
「何してんのって聞いてんの」
淨弥君、こんなに冷たい目をするんだ。
「あっ、あんたには関係ねぇだろ!!」
そう言って、男はより一層強く、あたしの手首を握る。
「いたっ…」
思わず声が漏れてしまう。
淨弥君……。助けて……。
そう思いながら淨弥君を見つめると、淨弥君の眉間の皺は一層深くなる。
「そいつを離せよ」
いつも以上に低くなった声。
「なんでだよ!?この女がどうなったって別にいいだろっ!?」
「……この女?」
淨弥君の眉がピクリと動いた。
「……人のモンに、手ぇ出してんじゃねぇよ」
淨弥君はそう言って、男の胸倉を掴む。
「……うっ、くっ」
「椎、こっちこい」
恐怖で足が震えてる。
だけど、動かなきゃ。
急いで淨弥君の後ろに隠れる。
淨弥君の制服の袖をぎゅっと掴むと、少しだけ安心できた。
「うっ…」
「二度とこいつに近寄るな。分かったな」
そう言って、男の襟を離すと、男は苦しそうに咳き込んだ。