男子校は危機百発ッ!☆→イケメン男子と恋しよう←☆



淨弥君は震えるあたしの手を引き、その場から立ち去る。




中庭に着くと、ベンチにあたしを座らせる。

「……大丈夫か?」

淨弥君は心配そうに下から顔を覗かせた。



優しい声に、安心した。

あたしはこくりと、小さく頷いた。


……怖かった。
……本当怖かった。


「……手首…」

淨弥君は優しくあたしの手を取り、手首を眺めた。

手首には、赤い跡が残っていた。くっきりと。


「……。」

それを見て淨弥君は悲しそうな表情を見せ、前から優しく、そっとあたしを抱きしめる。


「……怖かったよな」

あたしは再び頷く。


本当に怖かった。

目から溢れそうになる涙を一生懸命堪える。



「……椎、泣いてもいいよ」

優しい声に、目頭がまた熱くなる。


でも……

「……だい、…じょうぶ…」

泣きたくない。
淨弥君の前で。


弱虫だって

思われたくない


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