男子校は危機百発ッ!☆→イケメン男子と恋しよう←☆
淨弥君はそんな二人がまるで眼中に入っていないのか、
華麗にスルーして、あたしを席に座らせた後に、自分も席に着く。
宇津井はなんだか機嫌悪そうにあたしの前で仁王立ちした。
「な、なに?」
「……むかつく」
口を尖らせながら、あたしを見下ろす宇津井。
「はい?」
むかつくだとー?!
「むかつくって、なんで」
「……むかつくんだよお前!」
もう、何していないのにどうしてこんな理不尽に怒られなきゃいけないんだろうっ!
「とにかく!お前見てると苛立つんだよ!」
「あのね!もう一回殴ってほしいなら素直にそう言ってくれないかな!?」
売られた喧嘩は買います。
「なんだよ朝からなんか落ち着かないなぁー」
ドアから入ってきたのは靖杜だった。
靖杜は宇津井とあたしを交互に見ると、
「……なーんだ♪宇津井がまたちょっかい出したのかぁ♪
そんなに椎榎ちゃんのこと好きなのー?」
ケラケラ笑いながら、自分の席についた。
……は?
好き???
「ばっ、バカ言ってんじゃねぇーよっ!!お、俺がこいつのこと好きな訳ねぇだろ!!」
宇津井は真っ赤になりながら靖杜に反論する。
「た、だたっ、こんなブスが淨弥と手を繋いで登校してんのが気にいらないだけなんだよっ!」
BUSU。
え、ぶす?
えっ、ブス!?!?
「えっ!?手繋いで登校っ!?」
靖杜はそれを聞くと席から飛び上がり、
あたしの所へ来ていきなり手を握られる。
「!?」
な、何いきなりっ!!
「どうして淨弥と一緒〜!?俺を誘ってくれればいいのに〜!!」
うるうるオメメであたしの手を握りながらじっと見つめてくる靖杜。
「え、別に、一緒にていうか、途中でたすっ「うるさい」
あたしが朝の出来事を話そうとしたら、淨弥君は顎に肘をつけながらポツリとそう言った。
え???
「チャイム鳴るよ、席に着けば?」
あたしの方をちらっと見てから、淨弥君はみんなに目線を移した。
「淨弥だけずるいよー…。明日は俺の番だからね椎榎ちゃんっ♪」
靖杜はもう一度あたしの手を握り、自分の席へ戻った。