男子校は危機百発ッ!☆→イケメン男子と恋しよう←☆
「「「えぇ〜〜!?」」」
靖杜、唯抖、宇津井が声を合わせて叫ぶ。
「せ、淨弥っ!なんでだよ!今まで、女に興味示したことなかったじゃねーかよっ!」
宇津井はなんだかすごく動揺しているようだ。
淨弥君は軽くため息をついて、立ち上がった。
宇津井の肩に手を置いて、クスリと笑う。
「椎は、特別」
……ドキッ…
……特別…。
「……んじゃっ」
最後にあたしに向かってクスッと笑い、教室から姿を消した。
淨弥君が通った後でも、淨弥君特有の甘い香りが僅かに残っていた。
……椎は、特別
その言葉は、あたしの心臓の鼓動を乱す。
あの時は、単純に嬉しかった。
でも、あたしは知らなかった。
淨弥君の悲しい過去。
そして、
『特別』という言葉の意味を。