男子校は危機百発ッ!☆→イケメン男子と恋しよう←☆
……悪魔だ。
……本当に悪魔だ。
あたし完全に弄ばれている!!!
「煽るも何もないよ、もうっ!ほらそれ貸して!」
唯抖から少しだけ距離を取り、暑い顔を手で隠しながら、もう片方の手を差し出した。
「ん?」
不思議そうな顔をこちらを見る唯抖。
「片方持つよ。重いでしょ?」
あたしがそう言うと、唯抖は一瞬びっくりした顔を見せたが、すぐにニコッと笑って、
「荷物を持つのは、僕だよ。女の子に重い荷物持たせたらダメでしょ?」
こう見えて結構力持ちだよって、あたしにそう言った。
なんか、ふわふわで可愛い印象が強い唯抖だけど、
やっぱり男の子なんだなと強く感じた一日だった。
「うん。分かった。でも、ちょっと疲れたら交代しよ」
あたしがそう言うと、唯抖はニコニコしながら、
「その気遣いだけで充分っ」
とあたしの耳元で囁いた。