トランプ帝国記
ト、腰に険が備えてある。
(―――腰に険!?!?)
バッと上半身だけ反応して飛び起きる。
それに気付いた女の人が近寄って来る。
(やっぱり死んだんだ!それか夢!夢!)
その人は横に来るとゆっくりかがんで、れんげの頭に優しく手を置いた。
すごくたくましい目をしている。
でも全く怖さを感じない。
「良かった、起きて。平気?」
「……」
「言葉通じるよね?…ったく、フェイが何も言わずに連れて来るからびっくりしてるじゃないっ」
「ほんと、悪かったな急に。」
図書室で見た人がそう言いながら近くまで来る。
れんげはポカ~ンと口を半開きにしたまま、その人の顔を見た。
「とりあえず、死んでねぇから」
一番遠くでかべに寄りかかっている男の人が面倒くさそうに言う。
すると近いほうが付け足した。
「それに夢でもない。どっか打ってないよな?」
「……」
首を縦にゆっくり下ろす。
「…まだ混乱してると思うけど、徐々に話すよ。この《トランプ帝国》のこと」
「トラ…」
(あの本の題名。ってことは、ここは本の中ってこと?)
頭の中にマーブルの液を落とされ
(―――腰に険!?!?)
バッと上半身だけ反応して飛び起きる。
それに気付いた女の人が近寄って来る。
(やっぱり死んだんだ!それか夢!夢!)
その人は横に来るとゆっくりかがんで、れんげの頭に優しく手を置いた。
すごくたくましい目をしている。
でも全く怖さを感じない。
「良かった、起きて。平気?」
「……」
「言葉通じるよね?…ったく、フェイが何も言わずに連れて来るからびっくりしてるじゃないっ」
「ほんと、悪かったな急に。」
図書室で見た人がそう言いながら近くまで来る。
れんげはポカ~ンと口を半開きにしたまま、その人の顔を見た。
「とりあえず、死んでねぇから」
一番遠くでかべに寄りかかっている男の人が面倒くさそうに言う。
すると近いほうが付け足した。
「それに夢でもない。どっか打ってないよな?」
「……」
首を縦にゆっくり下ろす。
「…まだ混乱してると思うけど、徐々に話すよ。この《トランプ帝国》のこと」
「トラ…」
(あの本の題名。ってことは、ここは本の中ってこと?)
頭の中にマーブルの液を落とされ