トランプ帝国記
「よろしく。大丈夫ですよ。あなたを危険な目には合わせませんから。」


れんげはただただクロードの笑顔に圧倒されていた。


フェイは、にっこり爽やかに笑うクロードの横で、無表情に下を向いた。


「今、あなた方の王と王妃に挨拶してきたところです。」


話が始まると動きを止めて全員がクロードを見る。


下を向いていたフェイも顔を上げる。


「前回の招集から１０５年が経ち、再びトランプ帝国兵の招集令がかかりました。



私は帝国から命令を受け、それぞれの国のＪに伝えました。


四つの国はすでに動き出しています。ここも…」


「王さまは兵を集めて戦争でも始める気か？戦う為の兵だろ？」


初めから不審な目をしながら聞いていたキアーがバカにした口調で話に割り込んだ。


その態度を気にもせず、同じ口調でキアーに答える。


「王のお考えでは、今のシェガットの侵略具合では、四つの国の戦力をもってすれば恐れる程ではありません。


例え周りの軍事力を持たない小さな国ばかりを支配したところで、帝国を奪われる心配はない、と。


トランプ帝国がシェガットを吸収するお考えでいます。」
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