トランプ帝国記
当然出てくる疑問に、クロードは笑って答える。


「確かに、招集時にJとAがいない限り、令に応じる義務はない、となっていますね。


クラブ国の兵士はそれほど平和ボケしていませんよ。


優秀なAの呼びかけになら、応えるはずです」


クロードはフェイに微笑みかけた後、テーブルに座り地図を覗き込むキアーを見る。


笑い話の中に、どこか嫌みが込められているようで、キアーは気に入らなかった。


「もしこの…」


「淡々と話してくれるな。


重大な問題があるんじゃねえの?」


フェイが言い出した途端、遮るようにキアーが偉そうに口をはさむ。


リアが細目で睨む。


「前回の招集から105年経ってるって言ったな。


それだけ経てば、もちろんメンバーだって変わってる。


ってことは、兵士である証が先代から次へ確実に受け継がれたかわかんねぇ。


それに、何もなかった間、平和すぎて腕も鈍るってもんだろ?」


話を聞いてリアも確かにと頷き、クロードを見た。


クロードはまた微笑んだ。


「さすがA。そのとおりです。
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