トランプ帝国記
「――――うなの?」
「まだよかったんじゃねえ?」
「うん。まあ、気持ちはわかるけど…」
気がつくと、遠くで人の声がする。
(…あぁあ、私、窓から落ちてあのまま死んだのね。さっきのはあの世《この世?》の入り口だったんだ。短かったなぁ…)
そんなことが頭に浮ぶ。
―――声が段々はっきりしてきた。
「どっか打ってない?この子」
「さあ…人が来たから強引に連れてきたしなあ」
(―――ん?)
ゆっくり目を開けてみる。
周りにあるのは一面白い壁で、ところどころ青い絵が描かれている。
天井は高く丸くなっていて、奥の窓はカラフルにガラスで人が描かれている。
椅子が並んでいる横が広く設けられている。
れんげは調度その広間の真ん中の、ベッドのようなものの上だった。
(どこかの教会みたい…私、生きてるんだ。…誰かいる)
少し離れたところに、さっき聞いた声の持ち主だろう人が3人いた。
(女の人と、あと二人は男の人。あっ、あの人は…)
さっきれんげを無理矢理引っ張った人物だった。
さっきのブレザーとは違って、体に重たそうな鎧、腕にアンクレッ