また恋をした、その時に。【完全版】
リク
ぼくはウサギのリク。
よわいウサギ。
こうやって
柵のすみっこで丸まってじっとしているのが
好きなんだ。
ん? 違うなぁ…
好きじゃなくて…
安全なんだ。
ぼくは
他のウサギより体は小さいし。
跳べる距離だって半分。
他のウサギによく踏まれてしまうし。
毛色だって
ボサボサのくすんだグレー。
こんな自分は大嫌い。
だからお月さまにお願いをしたんだ。
ぼくを強く、強くして下さい。と。
あ。違う。強くなくてもいい。
普通のウサギにして下さい。
そうお願いしたんだ。
ーーーそして、僕は人間の男の子になるんだケド。
詳しい事は後でお話はするね。
これから
人間になった僕と
人間の世界で出逢った女の子、心美ちゃんとの温かくて・・・でも、温かいと溶けちゃう氷砂糖のような物語をお話をするね。
例えだと分かりにくいかな。
読んでくれたら分かると思うよ。
温かくて、だけど、胸がぎゅーっとなるお話なんだ。
聞いてくれたら嬉しいな。
出逢いは満月の夜の事でしたーーーーー。