また恋をした、その時に。【完全版】
門を開けて、目を開けるとそこには1人の女の子がいたんだ。
パーマがかかったふわふわの髪は肩くらいまであって。
丸くて大きな瞳はうっすら光っていた。
制服を着ている。
まさか突然目の前に人間の女の子が現れるなんて。予想もつかない展開で。
言葉が出てこない。
自分の心臓のドクン、ドクンっ…という音だけが体の中で感じられた。
重なり合った視線。
「あ…ごめんなさい。もう中に入れないですか?」
視線を外した彼女は、公園の中の動物がいる方向を指差した。
「………動物さんに会いに来たの…?もう、部屋の中に入っちゃってるんだ…」
そう答えると
「…ですよね。」と彼女は目を伏せたんだ。
これが、初めての人間の女の子との会話。
女の子はリュックの肩紐をギュッと握りしめて、息を吐いた…。
「動物を見ると癒されるの。間に合うかなーって思ったんだけど、残念。」