また恋をした、その時に。【完全版】
さっきまで。
声が出ないほど緊張していたのに…この言葉を聞いたその瞬間に。
僕の心の氷は溶けていったーーーー。
とても温かい気持ちになったんだ。
「はじめまして。僕の名前はリク。君の名前は…何て言うの?」
そう尋ねると女の子は目を大きくして驚いてる様子だった。
「………心美。…はじめまして。」
公園の入り口には明るい光があって。
公園の看板がライトアップされているから。
動物に会うためにはこの門の先に行かないといけない。時間も9時から日が暮れるまでって決まってる。
今は行けないけど、
この公園には他にも良い所がたくさんあるんだ。
噴水とか、見渡す限り緑色のな大きな広場とか。
僕は知っている。
「心美ちゃん、僕良い所知ってるんだ。こっちだよ」
「…え?どこ行くのっ…!」
僕は、彼女の制服のブレザーの袖を掴んでから
門の隣にあるレンガ色の階段まで走り始めた。
ーーー階段を上りながら、上を見上げた。
重なった 2つの雲の隙間から月が見えてね。
後から知ったんだけどね。
この日は満月だったんだって!
満月の夜。僕と心美ちゃんは出逢ったんだーーー