また恋をした、その時に。【完全版】
《心美》今までの日常が良かった。
決まった時刻に学校の鐘が鳴る。
毎回、規則正しいテンポと音程で。
それが当たり前なんだけれども。
私の高校生活も
同じくらい変わらないものだと思っている
高校2年2学期の初日。
とりあえず親の言う事を聞いて、
勉強してれば怒られる事はないし。
友達付き合いだって上手くやっているつもりで。
みんなが噂してる人には近づかないようにして。
そして、周りの意見には
「そうだね。」「私もそう思うよ。」「それ良いね。」
全部頷いて、採用。
この方が、確実に面倒な事は起こらない。
平穏な高校生活が過ごせる。
ーーーーー今日も、その予定だった。
朝のホームルームの時間。
先生は始業式の流れについて説明しているようだけど。
私は自分の席に座って
左側の窓際をぼーっと眺めていて。
1番後ろの席は先生の視線を感じにくい。
変に緊張しなくて良いから気楽。
私の席は窓際から数えて2列目の席なんだけれど。
今、1番窓際の席はぽっかりと空いている。
誰も座っていない。
だから外の景色がよく見える。
真っ白な雲の流れをじーっと目で
追いかけながら
私は昨日の夜の出来事を思い出していたーーーーーー。