また恋をした、その時に。【完全版】
ーーー不思議な男の子に出逢った。
名前はリクって言うらしい。
息苦しくて、胸が詰まって、どうしようもなくなって
家から飛び出した、夜。
行く場所は1つしか思いつかなかった。
1人になる事が出来れば何処でも良かったんだけど、、、。
ホッと心が緩む動物公園は
小さい頃からよく行く場所で。
いつも利用している電車の終着駅にその公園はある。
30分程電車に揺られた。
駅に着いて
動物公園の看板の明かりが点いてるとホッとしたんだけど
入り口に近づいてみると門は閉まっていた。
「遅かったか…」
今日は気分が果てしなく落ちる日だ。
学校も行きたくない。
勉強もしたくない。
でも明日から行かないといけない。
そう考えたら
じわぁ…っと目頭が熱くなってきて。
「もう、やだ…」
開いてないなら仕方がない、か。
今日は帰ろうーーーと門に背を向けたその時、
私の心臓はドクンと跳ね上がった。