【短編】ハチミツ王子
紗有もかなりびっくりしてる様子。
そりゃびっくりだよね。
あたしだってびっっくりしたもん。
すると紗有はしばらく考えて口を開いた。
「でもさ。いいんじゃない?」
「え?」
「だってさ。羽菜いい子だもん。今まで彼氏がいないのがびっくりなくらい」
それは……。
あたしが可愛くなくて、背が高いからで……。
俯いていると、紗有はあたしの両頬に手を添えて上を向かせた。
そして眉間に皺を寄せながら言った。
「まさかまた、あたしは背が高いからって思ってるんじゃないでしょうね!?」
……図星。
何も答えられずにいると、紗有は大きく溜め息をついた。
そしてあたしの顔を間近に見つめながら言った。
「前も言ってるけど。羽菜は可愛いと思うよ?」
「そんな事ないよ」
「そんな事ある!」
「ない!」
言い合いになると、紗有はまた溜め息。