【短編】ハチミツ王子



紗有もかなりびっくりしてる様子。

そりゃびっくりだよね。

あたしだってびっっくりしたもん。



すると紗有はしばらく考えて口を開いた。



「でもさ。いいんじゃない?」



「え?」



「だってさ。羽菜いい子だもん。今まで彼氏がいないのがびっくりなくらい」



それは……。

あたしが可愛くなくて、背が高いからで……。



俯いていると、紗有はあたしの両頬に手を添えて上を向かせた。

そして眉間に皺を寄せながら言った。



「まさかまた、あたしは背が高いからって思ってるんじゃないでしょうね!?」



……図星。

何も答えられずにいると、紗有は大きく溜め息をついた。

そしてあたしの顔を間近に見つめながら言った。



「前も言ってるけど。羽菜は可愛いと思うよ?」



「そんな事ないよ」



「そんな事ある!」



「ない!」



言い合いになると、紗有はまた溜め息。



< 14 / 28 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop