【短編】ハチミツ王子
「羽菜はみっくんの事好きなの?」
「え?」
そういえば……あたし。
何で何でって考えてばっかで、自分の気持ち考えてなかった。
あたし、ミツの事好きなのかな。
「よく、分かんない」
素直にそう答えると、紗有はあたしの頭を撫でた。
「そっか。みっくん待ってくれるって言ってくれたんでしょ?よく考えるといいよ」
「うん」
ミツは待ってくれるって言ってくれた。
でもさ。きっと、待つっていうのはそんないいものじゃないよね?
待たされる身になったら、あたし。
きっと不安だし。
苛々だってしてくると思う。
早く……答え出さなきゃ。
ミツの為にも。
あたしの為にも。