【短編】ハチミツ王子
これホント。
実際あたしより背が高い男子がなかなかいなくて……高校3年間。
好きな人も彼氏もできていない。
あたし大きいから、男子も眼中にないんだろうね……。
中学で好きな人に告った時だって。
身長なんて関係ない!って思ってたから、勇気を出して告ったのに。
『俺より身長高いから無理』
だよ?そう言われたんだよ?
そんな事言われたら……トラウマになるわ。
そのせいであたしは自分より背の高い男を探すようになった。って訳。
でもね?現実は厳しい訳よ。
周り見てみても……背が高い男なかなかいないんだもん。
バスケ部なら背が高い男いっぱいいるじゃん。って思うでしょ?
でもね?そいつ等は。
『やっぱ身長差20センチくらいあるといいよなぁ』
だよ?あたし背が高いもん。
理想の20センチには、無理ですよ。
20センチ差だよ!?あたしだったら、190センチの男じゃん!
いないいない……。
「はぁ……」
昔の事とか思い出して、あたしは大きな溜め息をついた。
すると紗有はあたしの頭を優しく撫でてくれた。
「羽菜はずっと苦労してきたもんね……」
紗有は身長低いけど、あたしの気持ちを分かってくれる。
だから紗有が好き。……もちろん友達としてね。