【短編】ハチミツ王子
真剣なあたしの胸を締め付ける真っ直ぐな瞳。
その瞳から視線を逸らせない。
あたしは……ずっと逃げてた?
社会の目とか、無意識のうちに気にしてた?
何だかんだ言って1番気にしてたのはあたしだ……。
でも……ミツは違う。
背の高いあたしを好きって言ってくれた。
全てを好きだって言ってくれた。
「好き……」
そうだ。
ミツの事好きなんだ。
背の高低なんて関係ない。
あたしも……ミツの全てが好きなんだ。
するとミツは力が抜けたようにその場にしゃがみ込んだ。
そして嬉しそうに笑いながら言った。
「よかったぁ……」
その姿はさっきまでの格好いいミツじゃなくて、可愛いミツ。
しゃがみ込んで力が抜けてしまっているミツがすごく愛しかった。
あたしはミツの前にしゃがみ込んで微笑んだ。
「好きになってくれてありがとう」
そう言うと、ミツは少し顔を赤らめた。
そしてフッと笑うと、ミツはあたしに顔をゆっくりと近づけて。
とろーり甘いキスをしてくれた。