【短編】ハチミツ王子
ジャージから制服に着替えて、あたしは1人歩く。
校門を通ろうとした時。
バスケ部の後輩達があたしに気付いて挨拶。
「羽菜先輩さようならー」
その声に振り返ると、男バスの2年がいた。
その声はあいつ。
あいつっていうのは、鼎光斗。
はっきり言ってこいつ気に食わない。
別に生意気とか性格悪いとかじゃなくて……。
背が165センチ。
ぱっちり二重で。
女の子以上に可愛い童顔。
男なのにめっちゃ可愛いから……。
そんな可愛らしい容姿だからか。
学校の女子はこう呼んでいる。……ハチミツ王子。
何故ミツが男で。あたしが女なんだろう。ってあいつを見る度に思う。
あたしは4,5人いる男子に手を振った。
「おつかれ。ばいばーい」
そう言ってふと携帯を見ると。
やばい!電車間に合わなくなる!
あたしは駅へと足を急がせた。
「ふぅ……」
ギリギリセーフで電車に乗り込んであたしは静かに空いている席に座ろうとした。
その時……。
「はーな先輩♪」
「あ……」