【短編】ハチミツ王子



「突然ですが、俺。羽菜先輩の事好きです」



…………。



「はい?」



すき?スキ……?

好き!!?



理解するのにかなり時間がかかった。



「は!?何言ってんの!?」



目茶苦茶動揺してあたしは膝の上に置いていたリュックを落としそうになった。

するとミツはニッコリ笑った。



「入学して俺がバスケ部入った時……。俺羽菜先輩に助けてもらった事があるんですよ」



「え?」



「俺がこの顔のせいで男の先輩に目つけられて囲まれてた時。先輩“格好悪い事するなよ”って言ってくれたじゃないですか」



そう言うとミツは少し頬を赤らめた。



「その時。すっごい格好いいなぁって思って……。俺一目惚れしたんです」



えぇ?

そんな事あったけ?

ミツが入学した時?2年も前じゃん……。



あたしの反応が薄い事からミツは察したらしく、眉を下げてあたしを見た。



「もしかして先輩……覚えてないんですか?」





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