sweet on sweet
しかし、冷蔵庫の中には
あたかもケーキがあったかのような
大きな空間が開いていただけだった
「…瑞希…」
俺は静かにゆっくりと
瑞希の名を呼んだ
自分でも分るくらい
俺は黒いオーラか何かを
後ろにつけていた
「ん?」
平然と見せ掛けた返事をするが
俺の黒いオーラを見てか
目が泳いでいる
「…瑞希、ココにあったケーキは?…」
俺はさらに自分の背後にある
黒いものを一層黒くした
瑞希は乾いた笑い方で
あははは~っと笑った