初恋
さくらには
【クドカン】よりも
落ちたアイスクリームのほうが
よっぽど大事に思えた。



「さくら、ほら見て。
あの一番目立ってる
黒髪の短髪イケメン爽やかboy!

やっぱ美男子~!

今年のトップ合格者。
工藤 和也だよ。」


さくらは思った。
『学年トップでイケメンね~。
そりゃあ出来すぎ。
…でも確かにかっこいいわ。』

「あんたが羨ましいわ~」
サチがまだクドカンを見ながら言った。


「え?なんで?同中じゃないし。」

サチは目を丸くしてさくらを見た。
「は?!何言ってんの!
あんた席隣だし!」



「…―――えぇ―っ!!!」

さくらのすくったアイスクリームは
再び床へ落ちていった。
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