初恋
第2章
「あ~もう5時半か~。
さくらごめん。
これ食べ終わったら帰ろっか。」
「うん。いいよ。
けっこう遊んだし。
楽しかったね!
でもさ、用事って習い事とか?」
「ん~。まぁね。」
サチは最後のひとすくいを
口に運んだ。
「え-?!意外!何してるの?!」
「んー。…ホントは教えたくないけど。ははっ。
さくらには言っとくね!
あたし…日本舞踊してんの。」
さくらは急にサチが輝いて見えた。
「え!かっこよすぎじゃん!」
「は~?今時ダサいって。
…でもさくらが
そう言ってくれて嬉しい!」
さくらは桜のように華やかに舞うサチを想像した。
それから、さくらたちは空になったカップをゴミ箱に投げ入れて店を出た。
クドカン グループは色とりどりの
アイスクリームをたった今
受け取っているところだった。
さくらはもう一度クドカンを見た。
さくらとクドカンの視線が合った。